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ベントレー売れすぎ警報発令中!その好調の意外な要因に迫る!

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車に少しでも興味がある方であれば、独特のフロントを持つ英国の超高級車ベントレーはご存じでしょう。日本を含めた世界でも毎年1万台前後しか生産、販売されていないというレアなメーカーです。それもそのはず、新車1台が日本円で2,000万円以上と聞けば、おいそれと庶民に手の出る車ではないことが分かろうというもの。

ところがここ数年、超高級車であるベントレーが世界的に販売数を伸ばしているのです。高級感への好みの変化なのか安全性なのか、はたまたお金持ちの数が増えたのか、買い替え時期なのか、はっきり理由が特定されていないのも、ベントレーらしいといえるかもしれません。
生産台数も多くないベントレーながら、モデル数はコンバーチブルなど改良型も含めると多くのタイプを市場に投入しています。特に21世紀になってからのモデル数は前世紀に比べても多く、背景には2002年の英国王室への車両進呈、2003年のル・マンに復帰しての総合優勝といった話題提供もある様子。

そんなベントレーの21世紀のコンバーチブルを含めた主なモデルを日本向けを含めて紹介するとともに、歴史や実績、車の特徴や中古車市場での人気車種も含めた全体的な魅力に迫り、近年の好調な販売の背景を探ってみました。

1. 100年を超える老舗ブランド、ベントレーの魅力とは?

100年を超える老舗ブランド、ベントレー
100年を超える老舗ブランド、ベントレー出典:wikipedia
Mr.choppers投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

広げた翼の中央に「B」の英字が配されたエンブレムが有名な、英国の超高級車ベントレー。設立が1919年という100年を超える老舗自動車ブランドです。ベントレーの大きな特徴は、車体の大きさや、新車・中古車でも価格が高いことに加え、圧倒感を覚えるようなフロントのラジエーターグリルと、左右に付いた大小2灯で一対となるヘッドライトでしょう。

一度見たら忘れられない迫力あるベントレーのフロント

車の顔ともいえる印象的なフロントは、一度目にしたら忘れないほどのインパクトがあります。しかし、好印象と高い知名度だけでは大きな売上には結びつかず、中古車市場を含めて知る人ぞ知るブランド、という時代が長かったようです。

21世紀になって世界の年間新車販売台数が7年連続で10,000台超を記録

そんなベントレーは、21世紀を迎えてから、全世界での新車販売数が年間10,000台を記録するようになり、2012年からは7年連続で10,000台以上の年間新車販売台数を記録、20世紀には年間5,000台の販売台数だったことと比べると、人気のほどが分かる数字となっています。
名ブランド復活ともいえる売上数の好調さの背景には、コンバーチブルを含めたモデルの種類が多いこともあるのかもしれません。どんなモデルを生産、販売しているのかを紹介する前に、まずはベントレーの歴史を振り返ってみます。

2. 有名なル・マン24時間レースでベントレーが4連覇

英国ロンドンで1919年に設立されたベントレーモータースは、フランスで始まったばかりの世界的に有名な自動車レース、ル・マン24時間レースで1924~30年の間に優勝5回という記録を打ち立て、世界にその名を馳せました。特に27年からは4連覇を達成し、追随を許さない自動車メーカーとなったのです。そうした自信と自負もあってか、ル・マン24時間レースへの次年からの不参加を表明します。

1931年にロールスロイスに買収されたベントレー

破竹の勢いといえるようなベントレーの車でしたが、会社自体は1929年からの世界恐慌には勝てず、1931年にロールスロイスに買収されてしまいます。その後、第二次大戦を経て、ロールスロイス社内で車の製造を続けていましたが、ベントレーとして生産される車ながら、ロールスロイス車のリバッヂ、いわゆるブランド名を変えた車として販売されており、独自性は薄かったようです。
そんな境遇だったベントレーでしたが、なんと1971年に買収元のロールスロイスが破産してしまいます。イギリスを代表する自動車メーカーともいえるロールスロイスの破産に、見かねた英国政府は1973年にロールスロイスを国有化、この中にベントレーも含まれていました。

ロールスロイス時代のベントレーS2コンチネンタル・フライングスパー
ロールスロイス傘下時代のベントレーS2コンチネンタル・フライングスパー出典:wikipedia
Hatsukari715投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

ベントレーを含むロールスロイスは、買収合戦でVW傘下に

イギリスに国有化され安泰かと思われたロールスロイスは、1980年に同じく英国の大手メーカー、ビッカーズにより、ベントレーを含むロールスロイスの自動車部門が買収されてしまうのです。さらに1998年には、なんとドイツのフォルクスワーゲン(VW)が、ベントレーを含むロールスロイスを買収。同じくドイツのBMWもロールスロイス買収に動いていたことからドイツの自動車メーカー2社間のトラブルに発展する、という事態になってしまいます。

VW傘下時代のベントレー・ステートリムジン
VW傘下時代のベントレー・ステートリムジン出典:wikipedia
S. Foskett – Personal photo, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

買収合戦でベントレーがVW、ロールスロイスはBMWへ

ドイツメーカー2社によるロールスロイスの買収劇は複雑なため、ここで詳細は記しませんが、結局2社間の協議で、条件や期限を設けての決着となりました。ベントレーはVW傘下、ロールスロイスは2003年1月からBMWの元での生産となり、現在に至っています。

3. VWとの部品共有モデル、ベントレー・コンチネンタルGT

VWによる買収後、ベントレーは、VWの車との部品共有によるモデルを市場に送り込むようになります。そのうちの一つが2004年に販売が始まった「ベントレー・コンチネンタル(Bentley Continental)GT」。ちなみにベントレーは「コンチネンタル」というモデル名が気に入っているのか、多くのコンチネンタルを冠したモデルがあります。〇タイプ・コンチネンタルや、コンチネンタル○○という名前で車種やモデルなどを区別しているものの、素人にはなかなか分かりにくい表記といえそうです。
親会社のVWが生産する車との部品共有モデル、ベントレー・コンチネンタルGTが出てきたところで、ロールスロイス時代を含めたベントレーの有名モデルや、日本でも入手できる車種などを交えて紹介してみます。

VW傘下以降の主なモデルの筆頭はベントレー・コンチネンタル

まずはベントレー・コンチネンタルGTから。GTとは「グランド・ツアラー(Grand tourer)」の略で、日本ではイタリア語の「グランツーリスモ」が有名ですね。大型エンジンを搭載し、高速での長距離走行を前提とした車種全般を指すため、ベントレーだけが使っているわけではありません。
アルファロメオやプジョー、シトロエンといった欧州車にGTという略称を付けた車が多く、たいていはコンバーチブルを含めたスポーツカータイプの上級バージョンという位置付けです、この影響からか、日本でもスポーツカータイプの上級車種にGTというモデル名を付記しているようです。

ロールスロイス下での高評価の車名を受け継いだコンチネンタルGT

コンチネンタルGT
コンチネンタルGT出典:wikipedia
Hatsukari715投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

やや余談になりましたが、ベントレーのコンチネンタルGTは、4シーターのクーペとして登場。1952~55年に販売された「Rタイプ・コンチネンタル」の後継という位置付けでVW傘下での販売がスタートしました。ちなみに名称を引き継ぐ元になったRタイプ・コンチネンタルは、スポーツカー的な性格を前面に出したモデルで、戦後にロールスロイス下で生産された最も素晴らしい車という評価があるほどで、208台が生産されています。
VWで生産されたコンチネンタルGT初代のエンジンは、VW製6.0リットルW型12気筒のツインターボを搭載。ミッションはマニュアルモード付6速AT、AWDの駆動方式で、2010年まで販売されました。初代のエンジンサイズやミッション、駆動方式といった基本スペックは、若干の改良があるものの2代目、3代目に引き継がれています。

4. 派生モデルが多いベントレー・コンチネンタルGT

なお、コンチネンタルGTの初代モデルあたりから大きめのラジエターグリルと片側2灯の一対ヘッドライト、というベントレーらしさを残しつつ、全体に丸みを帯びた形状のデザインへと変化し、コンセプトとしているラグジュアリーとスピード感を体現したような外観へと進化したのは、時代の流れでしょうか。初代のコンチネンタルGTに続き、2010~2017年の2代目、2017年からの3代目とモデルチェンジしており、日本でも新車として3代目が販売されています。

外観や形状などの違いとモデル名が分かりにくいベントレーコンチネンタル

ベントレーのコンチネンタルGTは、数多いベントレーのモデルのうち、いわばフラッグシップ的な位置にあり、前述したコンチネンタルRタイプの後継モデルとして進化してきています。ただし、クーペのGTや、同モデルにソフトトップを採用したコンチネンタルGTC、さらに4ドアセダンのコンチネンタルもあり、こちらはフライングスパー(2代目)という名前を復活させて、別モデルとするなど、ベントレーファンやカーマニア以外の人々にとって、表記がやや分かりにくいのが中古車市場でも人気のベントレーの難点だったようです。

日本で人気のオープンカー、ベントレーコンチネンタルGTC

ベントレーコンチネンタルGTC
ベントレーコンチネンタルGTC出典:wikipedia

新車、中古車を問わず日本で人気のあるモデルが、ベントレーコンチネンタルGTCで、オープンカー(コンバーチブル)というスタイルが、憧れにつながったのか、多くのメディアでGTC特集やGTC試乗記、GTCを徹底解剖、というような紹介のされ方をしたようです。GTCは、前述したようにグランド・ツアラー(GT)というラグジュアリーさにスピード感も合わせ持つ意味があり、これにコンバーチブルという意味の「C」が付いたのが、コンチネンタルGTCです。

ベントレーコンチネンタルGTのモデル名を見直して分かりやすく統一

ところが、名前に「コンチネンタル」と入ったモデルが多く存在することになったため、後年になって往時のモデル名を変更して、分かりやすく統一するという事態になったようです。本来のGTは4シーターのクーペで、GTCは同クーペのオープンカー(コンバーチブル)でした。GTとGTCをチューンアップ、軽量化したモデルがコンチネンタル・スーパースポーツでしたが、その後2シーターのクーペをGTと呼び、4シーターのオープンカーはGTCと呼ばずに、コンチネンタルGTコンバーチブルというモデル名になっています。

5. 世界市場のモデル名に「ニュー」を付けた日本の公式サイト

このためか日本では、中古車市場を含めて、入手可能なモデルの表記やモデル名をはっきりさせ、分かりやすくしています。特にベントレーの公式サイト「ベントレーモーターズジャパン」内のモデル・カテゴリーが顕著で、モデル名の頭に「ニュー」を付けた「ニューコンチネンタルGT」「ニューコンチネンタルGTコンバーチブル」「ニューコンチネンタルGT V8」「ニューコンチネンタルGT V8コンバーチブル」という4モデルが、紹介されているからです。
日本向けのベントレー公式サイト内には、ニューコンチネンタルのほか、セダンのニューフライングスパー(1種)、ミュルザンヌ(2種)、ベンテイガ(3種)の全4モデルが載っています。ここからは、それぞれの車種の特徴などを中心に説明していきます。

日本の公式サイトに載る2代目のコンチネンタル・フライングスパー

コンチネンタル・フライングスパー
コンチネンタル・フライングスパー出典:wikipedia

日本の公式サイトではニューフライングスパーとなっていますが、「ニュー」は日本のみの表記ながら、前述のようにベントレーコンチネンタルGTの姉妹車種としての位置づけで、4ドアセダンとして分類されているモデルです。正式名称は「ベントレー・コンチネンタル・フライングスパー」で、VW傘下で2代目として誕生しています。
ちなみに初代はロールスロイス下のブランドだった時に、クーペのベントレーSタイプコンチネンタルの派生型として誕生した4ドアセダンで、1957~66年まで製造、販売されました。2代目のスペックは、コンチネンタルGTとほぼ同じです。エンジンはVW製6.0リットルW型12気筒ツインターボ、ミッションは6速AT、4WDとなっています。

初代のセダン型として、2タイプのエンジンで登場したフライングスパー

この後、順番としては3代目となるセダンのベントレー・コンチネンタル・フライングスパーが2013年2月に発表されました。しかし、同モデルは名称から「コンチネンタル」が外れ、シンプルに「ベントレー・フライングスパー」となったことから、初代のセダン型という位置づけでの登場となったのです。エンジンも2タイプが用意され、従来の6.0リットルに加え、4.0リットルW型8気筒ツインターボが加わりました。ミッションは両タイプとも8速ATとなっています。

日本限定20台という特別仕様のフライングスパーが2018年に登場!

モデル名からコンチネンタルが取れた「ベントレー・フライングスパー」初代は2013~2019年まで生産販売されました。同モデルをベースに日本限定で20台の特別仕様車「ストラトゥスエディションbyマリナー」が2018年2月に発表され、話題となったことを覚えている方もいるでしょう。

6. 2020年早々にベントレーのフラッグシップモデル交代発表

セダンであるベントレー・フライングスパー、その後2019年6月に2代目が登場しています。エンジンは6.0リットルのツインターボと変更ありませんが、駆動方式が「電子制御式マルチプレート4WD」を採用し、路面の変化やタイヤの回転状況で、駆動輪を自動選択するスタイルとなっています。ミッションは8速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載、小さい変速差での低燃費を実現しています。

ミュルザンヌに代わりフライングスパーがベントレーのフラッグシップモデルに

ベントレーの顔にふさわしいスタイルやスペックを実現させたモデルとして2019年に登場した2代目フライングスパーに関しては、2020年の年明け早々の新たな発表が業界を揺るがせました。というのも、これまでのミュルザンヌに代わり、フライングスパーをベントレーのフラッグシップモデルとして展開していく、という内容だったからです。

世界で30台の特別仕様車を最後にミュルザンヌは生産終了

生産終了が発表されたミュルザンヌ
生産終了が発表されたミュルザンヌ出典:wikipedia
M 93投稿者自身による作品, CC BY-SA 3.0 de, リンクによる

新たな発表には、これまでのフラッグシップモデルだったミュルザンヌが、フライングスパーに、その地位を譲るとともに「ミュルザンヌ6.75エディションbyマリナー」という特別仕様車を最後に生産終了することも含まれていました。ミュルザンヌ特別仕様車は、全世界限定30台のみが、ベントレーの特別車製作部門であるマリナー(Mulliner)が担当することも加えて発表されたのです。
最上級モデルのミュルザンヌスピードを原型とする特別仕様車は、6.75リットルの排気量(6,752cc)を持つV8型ツインターボエンジンを搭載、8速ATのミッションにより、100km/h加速が4.9秒、最高速305Km/hという迫力満点のスペックを実現しています。同エンジンはロールスロイスの元で採用されたタイプを使用し続けた、というから驚きです。

ベントレーのフラッグシップモデルはアルナージ~ミュルザンヌ~フライングスパー

ミュルザンヌがフラッグシップモデルとなったのは2009年ですので、約10年にわたっての大役だったわけです。ちなみにミュルザンヌの前のフラッグシップモデルは、ベントレー・アルナージという4ドアセダンで、1998年からフラッグシップを務めていました。

かつてのフラッグシップ、ベントレー・アルナージ
かつてのフラッグシップ、ベントレー・アルナージ出典:wikipedia

7. ベントレーのフラッグシップモデル名の由来を探る

そんなベントレーのフラッグシップモデルを務めたミュルザンヌやアルナージというモデル名は、知る人ぞ知るという由来があります。ベントレーならではの自負心というか、生誕100周年を超えたベントレーブランドの誇りが反映された名称ともいえましょう。少しベントレーの日本発売モデルの説明などから外れるかもしれませんが、由来を知らずにベントレーは語れない、というほど意義深い話ですので、ここで紹介します。

ル・マン24時間レース場からベントレーのフラッグシップモデル名が誕生

両モデル名とも、前述したようにベントレーが草創期に実力を見せつけた、フランスのル・マン24時間レース場に由来しています。同レースは1923年が初開催ですので、すでに100年近い歴史を誇っており、F1のモナコグランプリ、米国のインディ500と並び「世界三大レース」の一つとして知られています。日本のカーメーカーとしてマツダ、日産、トヨタ、ホンダが参戦、また日本人チームも出場したことで、自動車ファンでなくともレース名や、ステータスとしての位置づけはご存じでしょう。

ル・マンの約6km続く直線コース、ミュルザンヌ・ストレートが由来

世界的に有名なル・マン24時間レースは毎年、1年のうちで日照時間が一番長い夏至のころに、フランスのサルト県ル・マン市郊外にある「サルト・サーキット(Sarthe Circuit)」で行われます。ふだんは一般道として使われている道路を閉鎖するなどしてコースを現出させています。
レース期間中に使用される一般道のうち、約6km続く長い直線がユノディエールで、レース開催時以外はル・マンとトゥールを結ぶ地方道338号として使われています。このため、ガードレールが両側に設置された片側1車線の道路となっています。
このユノディエールという道路名が英国人にとって発音しにくかったためか、道路の直線が終わるエリアにあるミュルザンヌ(Mulsanne)村への直線ということで、ミュルザンヌ・ストレートと呼びならわされました。ベントレーのモデル名ミュルザンヌは、この直線と村名を由来としています。

ル・マン開催のサルト・サーキットで90度曲がるアルナージ・コーナー

続いてアルナージ。由来はサルト・サーキットにあるアルナージ・コーナー(Arnarge Corner)です。ミュルザンヌ・ストレートを右へ約80度曲がって1kmほど走ると90度左へ曲がるコーナーがあり、インディアナポリス・コーナー(Indianapolis Corner)と呼ばれています。ここから200mほど走って右へ90度曲がるサーキットのコーナー(レース時以外はロータリー交差点)がアルナージ・コーナーなのです。
ちなみにアルナージ・コーナーを越えれば、あとは比較的緩やかなポルシェ・カーブ、コルベット・カーブと、減速のためのフォード・シケインを経て、ル・マン24時間コースのスタートゴール地点に着くことになります。

ル・マン24時間レースが由来のモデル名の車は生産終了へ

由来が分かると、ベントレーの歴史とレースやモデル名への思い入れが分かる気がします。やや重複しますが、2010年にベントレーの新型ミュルザンヌへとバトンタッチして2009年に生産を終えたアルナージでした。実はアルナージの前のフラッグシップモデルが旧型ミュルザンヌだったのです。つまりベントレーのフラッグシップモデルは旧ミュルザンヌ、アルナージ、新ミュルザンヌと、ル・マンのレース場関連の名称が、ベントレーのフラッグシップモデルとして変遷してきた経緯があるのです。
残念ながら、両モデルとも現在は生産終了となっています。それでも重厚な外観やラグジュアリーさが超高級車ならではの雰囲気を存分に持っていることから、中古車市場でも高嶺の花とはいえ、人気があるのです。

8. ベントレーの新フラッグシップモデル車名の意外さ

そうなると、2020年から新たにベントレーのフラッグシップモデルとなった、4ドアセダン「フライングスパー」の由来も説明しないと片手落ちの観が否めません。英語のフライングスパー(Flying Spur)、直訳すると、空飛ぶ拍車という意味です。これでは何だか分かりませんが、交通手段が馬車であった時代のコーチビルダー、いわゆる馬車製造に携わった一族が使っていた拍車(Spur)をモチーフにした会社のエンブレムがフライングスパーと呼ばれていたのです。

ベントレーの歴史に欠かせないコーチビルダーのエンブレム名がモデル名に

つまり、ベントレーの車体製造部門とも呼べる関係の会社のエンブレムの呼称が、そのままモデル名として使われたわけです。現在は、ベントレーの限定生産車など特別仕様の車体製造を任されるベントレーの一部門で「H.J.ミルナー」という会社となっています。
ベントレーの特別な車体製作の引き受け先として紹介した前述の「〇〇By ミルナー」というのは、この会社のことです。なお、ベントレーがロールスロイス傘下だった時代の1959年に発表された「S2コンチネンタル」や1962年の「S3コンチネンタル」の一部にはフライングスパーという名前がついているモデルもありました。

9. ベントレー初のSUVベンテイガが2016年に登場!

さて、日本で入手できるベントレーのモデル紹介の最後は「ベンテイガ(Bentayga)」です。大きなラジエターグリルと片側2灯の一対丸形ヘッドライト、という象徴的なのフロントを残しつつ、時代の流れに乗ったかのように、ベントレーが初めて生産したSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)です。
コンセプトカーとして2012年にベントレーEXP 9Fという試作段階の名称で発表され、2016年にベンテイガとして登場しました。エンジンは6リッターW12ツインターボTSIに8速ATのミッションで、フルタイム4WDの駆動方式という、重厚な外観にマッチしたベントレーらしい基本スペックとなっています。

ベントレー初のSUVベンテイガ
ベントレー初のSUVベンテイガ出典:wikipedia

ボディ全体の6割にアルミを使い軽量化したベンテイガ

ベンテイガのボディは、軽量化を追求したアルミ製のモノコックを開発し採用、全体の6割にアルミを使ったことで、これまでの高張力鋼板だけの場合より約230kgの軽量化を成し遂げ、約2,500kgという総重量となりました。車体サイズは全長5,150mm、全幅(ミラー含まず)1,995mm、全高1,755mm、ホイールベース2,995mmとなり、同じくVW・グループのアウディのSUV 「Q7」よりもさらに大きな仕上がりで、ベントレーらしい貫禄十分のSUVとなっています。

ベンテイガのモデル名は、どんな道路でも対応できる意味を込めた造語

その総合的なサイズから、ラグジュアリーSUVというカテゴリーとなるベントレー・ベンテイガ、モデル名は従来の同社の車名と違って造語です。スペイン領カナリア諸島にある岩山「ロケベンテイガ(Roque Bentayga)」と、ロシアなどにある針葉樹林「タイガ(Taiga)」からのイメージで、どんな道路でも対応できる車、といったような意味として名付けられたとか。

日本市場には大きなパノラマサンルーフが標準装備のベンテイガ

超大型のSUVベンテイガには、グレードやスペックなどが違う姉妹車として、2018年に4リッターV8ツインターボ・エンジンを積んだベンテイガV8、ベンテイガ・ハイブリッドを発表、さらに2019年にはベンテイガ・スピードを市場に投入、ベントレーのSUVとして話題を提供しています。
現在、日本市場では、ベンテイガ・ハイブリッドを除く3モデルを入手できます。日本マーケット向けに投入されるベンテイガは、総面積1.35平米という大きなパノラマサンルーフを装備したモデルであるのが特徴で、売れ行きの好調さにも影響を与えています。

最後に

1台の価格が2,000~3,000万円という超高級車のベントレーが、日本を含めた世界市場での売上が好調なのは、クラフトマンシップによる各モデルの総合的な質の高さが、市場に受け入れられてきたため、といえましょう。生産台数の少なさから、庶民的な他の有名メーカー車の10倍以上という価格は、高嶺の花どころではない感覚です。

7年連続での年間販売が10,000台超のベントレー
7年連続での年間販売が10,000台超のベントレー出典:wikipedia
Matti Blume – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

このため、個人使用というよりは、ステイタスや安全面、税金対策などの意味で法人での購入が多いのがベントレーなのです。7年連続での年間販売が10,000台超というのは、世界経済が順調という証なのかもしれません。車体はもよとり、エンジンや加速スピードと最高速などは、日本の道路事情に合致しているとは言いにくいものの、「いつかは乗ってみたい」というカーファンも多いステイタスカーなのです。

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