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プロが教える、300万円以内で買える国産マニュアル車7選を公開!

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1. 絶滅しかかっている乗用MT車-MT車の歴史と現在のMT車事情

みなさんは現在、どれくらいのMT車が生産されているかご存知ですか?実は、結論から言うと、割合的な話ではほとんど生産されていないと言えるくらい少ないです。1970年代あたりからAT車が徐々に普及し始め、1985年時にはMT車の販売台数は約5割に、その10年後の1995年には2割を少し割り込み、2011年のデータでその割合はわずか1.5%にまで減少してしまいました。

ATはギアチェンジの際のシフトノブ操作と、左足によるクラッチ操作が不要なため運転が簡便・容易になり多くの人に受け入れられました。それに加えて1980年代後半に開発された無段階変速機であるCVT(操作上ATとほぼ同じなので以後ATと同等の扱いとします)も登場し、いよいよMTは絶滅するかに見えました。

現在、運転免許を新たに取得しようとしている人の60%以上がAT限定で取得します。運転業務をするのが多い男性は、まだMTで免許を取得している人が多いものの、女性はほとんどがAT限定で免許を取得しているのが実情です。 AT限定免許制度ができた1991年と言えば、すでに販売された乗用車の半分以上はAT車でしたが、これを契機にますますMT離れが進んだことはほぼ間違いありません。

しかし逆に、それまでに免許を取得した方たちは、全員がMTでしか免許を取得できなかったわけです。ですから、その頃までに免許を取得した現在の年齢で言えば40代後半以上の方は必然的にMT車を運転できるわけです。ですから、今はAT車に乗っている方でも、MT車に乗ることができる方はたくさんいるはずです。

しかし、実際に現在販売されている乗用車はほぼ100%と言えるくらいAT車全盛の時代です。筆者としては、MT車を運転できる人達がたくさんいるはずなのにどうしてAT車ばかり発売されるのか多少の疑問は感じていました。

それがここ近年、MTが少しずつではありますが復活しつつあります。そのきっかけになったのはマツダが2010年10月に発表した「スカイアクティブ・テクノロジー」に端を発する「マニュアルへの回帰」です。マツダは自社が展開するほぼ全車種でガソリン車・ディーゼル車ともにAT・MTのグレードを選択できるようにしました。

マツダとしては、車をあらゆる点からゼロベースで再構築を試みると同時に、「走ることの喜び」を体現するための一環として、MTをその後に発表した車種のほとんどに搭載しています。スカイアクティブ・テクノロジーの開発領域は、エンジン・ボディに留まらず、トランスミッションにも及びます。このマツダの試みに市場は反応し、マツダが販売する車のMT車の比率は飛躍的に上昇しました。

この動きにいち早く追随したのがトヨタでした。トヨタは先に挙げたマツダの一連の改革とMT搭載での成功を目の当たりにし、自社の車種の一部にMTのグレードを追加したり、新型車に最初からMTのグレードを設定するなどしました。現在ではこの2社がMT車の車種・生産台数をけん引しています。

そのため、ほとんどMT車やMTのグレードを選択できなかった一時期に比べて2020年3月初旬現在ではかなりの車種でMTを選択できるようになりました。できればMTを搭載している全車種を紹介したいところですが、それだといくらでも話は続いてしまいそうなので、厳選した各編7台(軽自動車編は6台)を紹介させていただきます。

MT好きな筆者としては、マツダ・トヨタを筆頭にした「MT回帰路線」は非常に好ましいことだと喜んでいます。これが読者の方々にとってもMT車を検討したり購入して下さるきっかけになればと思います。

2. 7台の紹介(スタンダード編)

ここでは、日常生活に馴染むいわゆる「普通の車」を紹介します。普通というと面白みが無いように思われるかもしれませんが、普通に使うのであれば普通の車が最適です。つまり、どの方向にも特化していない代わりに、どんな用途やシチュエーションでも使えることがこのカテゴリーに分類された車の最大の強みです。

①カローラアクシオ(トヨタ)

カローラアクシオ(トヨタ)
トヨタ カローラアクシオ出典:トヨタ自動車株式会社

セダンタイプのカローラで、現行モデルは2012年5月から発売されている11代目です。トヨタの車種としては半世紀以上の歴史がある、トヨタのフラッグシップカーの1台です。それはこの車が発売されて以来、常にMTのグレードがラインナップされていることとも関係しています。

車格も排気量も日常使用では最もオーソドックスなサイズで、現行モデルの全長は4メートル40センチ、全幅は169.5センチとなっていて5ナンバーサイズに収まっています。排気量は1500ccで、複数名の乗車と独立したトランクに荷物を搭載しての走行でもそつなくこなします。

 

②ヤリス(トヨタ)

ヤリス(トヨタ)
トヨタ ヤリス出典:トヨタ自動車株式会社

名前だけ聞くと「トヨタにそんな車種あった?」と思われる方も多いのは当然で、つい最近(2020年2月)発売されたばかりの車種です。とは言っても車事情に詳しい方であれば、4代目ヴィッツであることはご存知かと思います。

4代目へのフルモデルチェンジ、世界ラリー選手権での呼称「ヤリスWRC」、そして何よりもともと世界戦略車のヴィッツの海外での名称はヤリスだったので、日本での名称もそれに統一したというところです。

同社から1999年10月まで販売されていた「スターレット」の後継車種で、コンパクトカー全盛時代を築いた嚆矢(こうし)です。1990年代ごろまでは、トヨタ車で言うと、「スターレット→ターセル・コルサ・カローラⅡ→カローラ・スプリンター→コロナ・カリーナ→マークⅡ・クレスタ・チェイサー→クラウン」というように、年齢・給料が上がると乗る車もグレードアップする、というのが一般的な流れでした。

しかし、初代ヴィッツはそんな年功序列制度が崩壊しつつあった時代に誕生した「クラスレス」を感じさせる新たな自動車界の幕開けを告げました。お世辞にも後席は余裕たっぷりというわけにはいきませんでしたが、4人がちゃんと座ることができて(乗員定数は5人です)ある程度の荷物を載せることができることを、たった全長3メートル61センチ×全幅1メートル66センチでやってのけるというすご技に、世間は度肝を抜かれました。

ちなみにヤリス(ヴィッツ)もまた、カローラ同様発売以来一度もMT仕様のグレードが外れたことのない車種です。2代目以降はMTのグレードは「RS」というホットハッチだけになってしまったのが残念でしたが、それでもこの車にはMTを選択できるようにしておいた方がよいとトヨタが考えたからだと思うのは私だけでしょうか?

 

③カローラフィールダー(トヨタ)

カローラフィールダー(トヨタ)
トヨタ カローラフィールダー出典:トヨタ自動車株式会社

さきに紹介した「カローラアクシオ」のステーションワゴン版です。初代は2000年8月のデビューなので、間もなくデビュー20周年を迎えます。現在ではかなり車種が少なくなってしまった「ステーションワゴン」という形式の乗用車ですが、デビュー当時はまさにステーションワゴン全盛期で、「アコードワゴン」、「レガシィツーリングワゴン」、「ステージア」、「プリメーラワゴン」、「ウイングロード」などの強敵ぞろいの中、俳優の木村拓哉さんを起用したりなどして大健闘を見せました。

現在、ステーションワゴンとしてその当時から残っているのはスバルの「フォレスター」、「レガシーアウトバック」などくらいで、ほとんどが販売を終了してしまいました。長い時代を生き抜いてきたこの車もまた、初代からMTのグレードを選択できた数少ない車種です。余談ですが、初代には自然吸気版の2200ccディーゼル仕様もあり(トランスミッションはATのみ)、2代目以降エンジンラインナップから消えてしまったことは筆者にとって非常に残念でなりません。

 

④カローラスポーツ(トヨタ)

カローラスポーツ(トヨタ)
トヨタ カローラスポーツ出典:トヨタ自動車株式会社

12代目カローラの先駆けとして2018年6月にデビューしました。ヘッドランプ形状とテールランプ形状が同じであるのが特徴の面白いデザインですが、とても精悍でかっこいいです。「カローラ」という名称を冠してはいますが、いいイメージでカローラのイメージをくつがえす若々しさを感じます。

MTを選択できるのは、近年流行している「ダウンサイジングターボ」を採用している1200ccのエンジンのグレードです。詳しい説明はここでは割愛しますが、ダウンサイジングターボの美点は、小排気量でありながら必要時には大きな力が出せることです。エンジンが小さくできるということは、取りも直さず車重量軽減に寄与します。ちなみにMTは6速です。

 

⑤スイフト(スズキ)

スイフト(スズキ)
スズキ スイフト出典:スズキ株式会社

2000年2月にデビューしたスズキのコンパクトカーで、現在(2020年2月)の4代目でちょうど20周年を迎えます。現行モデルは2017年1月から販売されています。全長3メートル84センチは、コンパクトカーとして適正なサイズでとても取り回しが楽です。

デザインで目を引くのが、テールランプの一部がフューエルリッド(給油口扉)の上部までのびている部分です。全体的に見て奇をてらわない誰にでも好まれるスタイルで、なおかつカラーバリエーションが10色以上用意されているのもうれしいです。

JC08モード燃費は22.6キロで非ハイブリッド車としてはかなり検討していて、燃料費は安く抑えられそうです。それに加えて車重量がゆうに900キロを下回る軽量ぶりで、各種装備・安全装置を付加することで増加しがちな車重量をここまで抑えているのには驚かされます。

車両本体価格、燃料消費率、そして車検時の重量税では1トン未満のカテゴリーに入るため、購入時だけでなくランニングコストも低く抑えられる、お財布に優しい優等生です。スイフトもまた、デビュー時からずっとMTのグレードを継続している車の1台です。

 

⑥デミオ・MAZDA 2(マツダ)

MAZDA2(マツダ)
マツダ MAZDA2出典:マツダ株式会社

マツダのコンパクトカーの代名詞であるデミオのデビューは1996年8月で、4代目現行モデルは2019年9月から名称を海外仕様に合わせて「MAZDA 2」としました。コンパクトカーとしては高額な部類に入りますが、同格の外国車と比較しても決して引けを取らない内外装の上質さや高級さ、操縦性の楽しさはそれだけの金額を払うだけの価値があります。

車内の運転席周りのスウィッチ類は、ドライバーが操作しやすい位置に配されているのでコックピット感が高いです。運転席に座れば、とてもコンパクトカーとは思えない上質な雰囲気を味わうことができます。足下に目をやればオルガン式アクセルペダルがあり、操作性の高さと疲労軽減に寄与しています。

ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンともにMT(ガソリン仕様は5MTと6MT、ディーゼル仕様は6MT)のグレードがあるのでどちらを選んでもよいですが、1日の走行距離が30キロを超える方であれば、ディーゼルをおすすめします。ディーゼル+6MTのベストコンビネーションで、実燃費リッター25キロも可能です。余談ですが、筆者の愛車の1台です。

 

⑦アクセラスポーツ・MAZDA 3ファストバック(マツダ)

MAZDA 3ファストバック
マツダ MAZDA3ファストバック出典:マツダ株式会社

初代が2003年10月のデビューで、通算4代目の現行モデルの発売とともに「MAZDA 3」と名称変更しました。予算内に収まるのは1500ccのガソリンエンジン仕様のファストバックです。この車の造形を車体斜め後ろから見ると、リアドア後方からリアハッチに続く曲面がテールランプの4灯式と相まって外国車のように見えるのが特徴です。

全長は4メートル46センチで一般的な1500cc~2000ccクラスの5ドアハッチバックですが、全幅が180センチに迫る長さで、加えて全高が144センチと現代の車としては非常に低い部類に属します。「ロー&ワイド」なスポーツハッチバックと言ってもよく、「スタンダード編」か次編の「スポーツタイプ編」のどちらにカテゴライズするか非常に迷いました。

最近のマツダ車のデザイン力には目を見張るものがあります。このMAZDA 3ハッチバックもその1台で、初めて見た時には「3代目のアクセラスポーツの方がよかったかな」と思ったのですが、何度もみているうちに目に馴染んでくるだけでなく、かっこよく見えてくるのが不思議です。ヘッドランプとテールランプの形状を「細目」に統一してあるのも、印象に残る理由です。

3. 7台の紹介(スポーツタイプ・SUV・四駆編)

このカテゴリーでは、かっこよさや多目的に使用できるMT車を紹介します。ですから、スタンダード編で紹介した車種より使い勝手が多少落ちるかもしれません。それでも、そのネガが吹き飛ぶくらいの個性がある車を紹介します。

 

①C-HR(トヨタ)

C-HR(トヨタ)
トヨタ C-HR出典:トヨタ自動車株式会社

2016年12月に発売されたガジェット色の強いクロスオーバーSUVです。街中で走っているのを見ると他の車と間違えようのないボディーデザインです。リアドアのノブがCピラー(後部座席のすぐ後ろにあるルーフを支える柱)上部にあること、そしてそのCピラーの形状自体に自然と目がいってしまうようなデザインです。テールランプとバックランクが組み合わされブーメラン型をしているのも特徴です。

発売された当初はトランスミッションの設定がCVTのみでしたが、2019年10月発売モデルから「iMT」が搭載されたグレードも選択できるようになりました。

IMTはトヨタが前年の2018年に発表した新開発のMTで、発進時にドライバーがクラッチを踏むと、エンジンのトルクを厚くしてクラッチミートをアシストしてくれることでエンジンストールしにくくするだけでなく、ギアチェンジの際には自動でエンジンの回転数を合わせて変速時のショックを抑えてくれるという新世代のMTです。

「免許はMTで取ったけれど、しばらく乗っていないから大丈夫かな?」という方にこそおすすめの1台です。乗っているうちに勘が取り戻せれば、さらに楽しく運転することができるでしょう。

 

②CX-3(マツダ)

CX-3(マツダ)
マツダ CX-3出典:マツダ株式会社

2015年2月に発売を開始したコンパクトクロスカントリーSUVで、デビュー時点でディーゼルエンジン仕様(SKYACTIV-D 1.5)のみの設定だったことは驚きをもって迎えられました。しかし2017年7月発売モデルからは2000ccのガソリンエンジンモデルが追加され、2018年5月発売モデルからはSKYACTIV-D 1.5から新開発のSKYACTIV-D 1.8に換装されました。

CX-3の美点は、「MT・ディーゼル・四駆」がすべて揃ったグレードが選択できることです。1990年代にはこれら3つの要素がそろったSUVは比較的ありましたが(ハイラックスサーフ、ランドクルーザープラド、ビッグホーンなど)、2000年代に入ってからはほぼ皆無でした。

SUVに分類しましたが、どちらかというと「スタンダード編」に入れてもよいくらい日常使用に適した車種です。ですから、特段四駆でなくても構わない方は二輪駆動(FF)のグレードを選択するとよいでしょう。車両本体価格も燃料代も抑えられます。

 

③CX-30(マツダ)

CX-30(マツダ)
マツダ CX-30出典:マツダ株式会社

2019年10月にデビューしたばかりのクロスオーバーSUVで、予算内に収まるのはガソリンエンジンのSKYACTIV-Gのグレードです。さきに紹介したCX-3と同社のCX-5との中間に位置する車格です。CX-3の後席と荷室の狭さを解消しつつ、CX-5ほど大きくないため女性でも取り回しがしやすいのが利点です。

その他の利点として、機械式立体駐車場に入庫できる全高154センチであることです。主に都市部に多いこの手の駐車場に止めることの多い方にとっては非常に助かるでしょう。

 

④ジムニーシエラ(スズキ)

ジムニーシエラ(スズキ)
スズキ ジムニーシエラ出典:スズキ株式会社

半世紀にわたり販売されているスズキの軽四輪駆動車として知られる「ジムニー」の姉妹車で、1993年5月から発売されています。現行モデルは2018年7月から販売されている3代目です。本格的なパートタイム四輪駆動車で、海外でも高く評価されています。

未舗装路、不整地などの悪路を走破することを前提に製作されているので、本格的な四輪駆動車が採用している「ラダーフレーム構造」を初代から継続しています。少々ボディをぶつけて外観を損なうくらいでは走行上何の問題もありません。ラダーフレーム内に収められているエンジンやトランスミッションが守られている限り、安心して走行することができます。

現行モデルの車格は全長3メートル55センチ、全幅は約165センチとなっていて一般的なコンパクトカーと比較してもかなり小さく、車重量も1100キロをゆうに割り込みます。この小ささや軽さはスタックした時に脱出しやすいメリットがあります。この車もまたデビュー当時から常にMTのグレードを選択できた車種の1つです。

 

⑤ロードスター(マツダ)

ロードスター(マツダ)
マツダ ロードスター出典:マツダ株式会社

世界の「ライトウェイトスポーツカー」市場まで動かした、マツダを代表するオープンスポーツカーです。現行モデルは2015年5月から販売されている4代目です。発売以来、車格(全長)・車重量・排気量をそれぞれ4メートル、1トン、1500cc~2000ccをキープし続けています。

乗員定数は2名、トランクルームも広々とはいきませんが、1泊2日の旅行で必要とする荷物は何とか載せられます。そのかわり、一般的なクローズドボディの乗用車では手に入らない「オープンエア」の楽しさを得られることがこの車の最大の魅力です。

この車もまた、デビュー当時から常にMTを選択できた車種であると同時に、駆動方式もFRであり続けています。そんな本格的なスポーツカーがこの予算内で購入できるのですから、日本は車好きにはありがたい国だと思います。

 

⑥BRZ(スバル)

BRZ(スバル)
スバル BRZ出典:株式会社SUBARU

2012年3月に発売を開始した、トヨタとの共同開発によって生まれたFRのスポーツカーです。「B」は「Boxer Engine」、「R」は「Rear wheel drive」、「Z」は「Zenith」を表しているので、「水平対向エンジンを搭載した後輪駆動車の頂点」という意味になります。

何だか名前の由来を聞くと、本体が名前負けしそうですが、まったくそんなことはありません。リッターあたり100psを超える最大出力、そして22kg-mに迫る最大トルクを7000回転近くで発生する高回転型エンジンは、一般道ではそのスペックを持て余してしまうほどのものです。

狭いですが後席に2人乗れ、独立したトランクルームを持つためスポーツカーとしてはとても実用的です。予算内に収まるのは特定のグレードに限定されますが、パワートレインや基本的な装備は上級グレードと全く一緒ですので、走る喜びをこの予算内で得られるという点で紹介させていただきました。

 

⑦ヴィッツ・GRスポーツ(トヨタ)

ヴィッツ・GRスポーツ(トヨタ)
トヨタ ヴィッツ・GRスポーツ出典:トヨタ自動車株式会社

2010年12月から発売されてる3代目ヴィッツのスポーティーグレードで、2017年9月に発売を開始しました。195/50R16という低偏平率・大径タイヤを履いているのに加えて、専用ラジエーターメッシュグリル、フロントフェンダー斜め後方の「GR」エンブレム、サイドアンダースポイラー、テールゲートスポイラーが装備されているので、コンパクトカーとは思えない存在感を醸し出しています。

ヴィッツは初代から欠かさずMT仕様のスポーティーグレードをラインナップしています。スターレット時代から若者向けにエントランスカーにこのようなグレードを常に選択できるようにしてあるのは、さすがはトヨタと言わざるを得ません。

4. 6台の紹介(軽乗用車編)

 MTは普通車だけに搭載されているわけではありません。少なくなってしまったとは言え、軽乗用車にもMTで乗ることができる車種は存在します。スタンダードに使えるものから四輪駆動車、スポーツカーまであります。では見ていきましょう。

①ワゴンR(スズキ)

ワゴンR(スズキ)
スズキ ワゴンR出典:スズキ株式会社

1993年11月に発売された「軽トールワゴン」というボディータイプの先駆けとなった軽乗用車で、現行モデルは2017年2月から発売されている6代目です。初代発売当時までは同社の「アルト」、ダイハツの「ミラ」のような軽乗用車のボディータイプが一般的でしたが、全高を高くすると同時に座席をアップライト気味に座れるよう設計し、狭さを克服しました。

現在では多くの軽乗用車がこの「軽トールワゴン」のボディータイプを採用しています。開発当初は「男性にも受ける軽(乗用車)」をコンセプトにしていましたが、結果的に年齢や性別を問わないベストセラーカーになりました。

大きな車の運転がおっくうになってしまって軽自動車を選択したり、どうしてもMTでないといけないという高齢の方が一定数いらっしゃるので、この車が発売を開始して以来常にMTのグレードを設定していたことは非常に意味があることだというのが私見です。また余談ですが、こちらも筆者の愛車の1台です。

②アルト(スズキ)

アルト(スズキ)
スズキ アルト出典:スズキ株式会社

1979年5月に初代が発売されて以来、40年の歴史を数える歴史あるスズキ車の1台で、現行モデルは2014年12月から販売されている8代目です。この車のコンセプトは「シンプルさ」ですが、前席エアバッグ、ABS、AM/FMラジオ、CDプレーヤー、エアコン、集中ドアロック、パワーウィンドーなどの基本的な装備が整っていて300万どころか100万を切る価格設定になっています。

いろいろな装備があった方がよいという方もいらっしゃいますが、それとは逆に必要最低限のものが備わっていればよいと考える方もいらっしゃいます。アルトはそんな「実用主義」の方にぴったりの軽乗用車です。この車もワゴンR同様、初代発売時からMTのグレードを常にラインナップしています。

③アルトワークス(スズキ)

アルトワークス(スズキ)
スズキ アルトワークス出典:スズキ株式会社

前項で触れたアルトのハイスペックグレードで、1989年9月に発売を開始当時は3ドアハッチバックでした。2015年12月に15年のブランクを経た後、5ドアハッチバックとして復活しました。

こちらは通常のアルトとは違い、きびきびとした走りが売りです。エンジンは同じですが、インタークーラーターボ化し軽自動車の出力規制値いっぱいの64ps、最大トルクはガソリンエンジンの1000ccに相当する10.2kg-mを発生します。

履いているタイヤも165/55R15で、軽自動車とは思えない低偏平率&大径タイヤです。「低偏平率タイヤ(ロープロファイルタイヤ)」とは、偏平率が55パーセント以下のものを指し、メリットはコーナリング時のタイヤの接地面積の減少を抑えられることでのグリップ力の保持、デメリットには振動の吸収不足による乗り心地の低下があります。

つまり、裏を返せばアルトワークスはそのようなタイヤを装着しないと本来の性能が発揮できないほどの車なのです。一般道を走るだけではもったいない1台ですが、ドアは4枚ついていますしリアハッチを開ければ荷室もありますので日常使用でも十分活躍してくれます。

④S660(ホンダ)

S660(ホンダ)
ホンダ S660出典:本田技研工業株式会社

2015年4月に発売を開始した軽オープンカーで、非常に珍しい「ミッドシップエンジン」を搭載しているところに特徴があります。簡単に言うと、座席と後輪の間にエンジンがあるということです。ドライバー自身とエンジンの重量が車の中央に集中しているので回頭性・旋回性にすぐれます。

この車は標準的な車と比較して「ドライバビリティー」と「オープンエア」に軸足を移しているので、一般的な車に求められる他の要素には残念ながらあまり期待できません。

とにかく、「オープンにして走ることを楽しむ」ということを目的に製作されているので、「車が彼女」といったら大袈裟かもしれませんが、運転をするのが大好きな方におすすめの1台です。

⑤コペン(ダイハツ)

コペン(ダイハツ)
ダイハツ コペン出典:ダイハツ工業株式会社

初代は2002年6月に発売されたFFのオープンカーで、現行モデルは2014年6月から販売されている2代目です。初代は「丸」を基調としたデザイン、2代目は「角」を基調としたデザインになっているのが特徴です。

また、現行モデルの特徴としてドア以外の樹脂化した外板部分が着脱できるという面白い趣向が凝らされています。ボンネットフード、トランクフードなど計11パーツの外板部分が着せ替え可能となっています。

2代目コペンと前項のS660との荷室についての大きな違いは、S660が着脱可能なロールトップの使用時でもほとんど荷物を乗せられないのに対し、コペンはルーフ使用時にはある程度の荷室が確保できる点です。少しでも荷物が載せられた方がいいという方にはこちらをおすすめします。

⑥ジムニー(スズキ)

ジムニー(スズキ)
スズキ ジムニー出典:スズキ株式会社

半世紀の歴史を持つスズキのフラッグシップカーの1台で、現行モデルは前に解説したジムニーシエラと同じ2018年7月から販売されている4代目です。基本的な構造はジムニーシエラと同じです。ラダーフレーム構造を持ち、最低地上高を高く取ってあることで、未舗装路や積雪圧雪路をものともせず走破できる本格的なパートタイム4WD車です。

実用的に使用すればアウトドアにはもってこいの1台ですが、近年ほとんどの車のデザインが角の取れた全体的に丸みを帯びているものが多いのに対して、この無骨で角ばったデザインは希少で目を引くため、「ファッション」感覚で乗っている若者もいます。そんな若者たちと団塊の世代の方たちとが同じ名前の車で盛り上がれるのは、このジムニーをおいて他にはありません。

初代デビュー時はボディ形状が幌、トランスミッションはMTのみの設定しかありませんでした。「あくまで実用本位」というスズキのこの車に対する考えがうかがえます。

しかし、三菱のパジェロミニの出現を意識し、2代目第3期(1990年2月~)に3速ATを導入しました。MTのグレードはデビュー以来ずっと選択できますが、幌仕様のボディーは2代目第4期(~1998年10月)以降、販売されていないのが筆者としてはとても残念です。

番外編:キャリイ(スズキ)

キャリイ(スズキ)
スズキ キャリイ出典:スズキ株式会社

スズキにとってジムニー同様、半世紀を超えるロングセラーカーで初代キャリイは1961年に発売が開始されました。キャリイの現行モデルは2018年5月から販売されている11代目です。筆者の住んでいる北関東では農家が多く、農機具・農産物の運搬だけでなく、通勤・通学の送り迎え、買い物、ドライブ、果ては冠婚葬祭への出席のためにも利用されるマルチパーパスな1台です。

後輪駆動をベースにしたパートタイム4WDであることに加えて、デフロックオン・オフ機能も搭載されているので、関東ローム層の乾いた時はフカフカで、水気がある時にはドロドロになってしまう土質でも走行が可能です。未舗装路、というより収穫物を入れたコンテナの回収のために畑の中を走行することもあります。

キャリイの最小回転半径は3メートル60センチとたいへん小さく小回りがきき、ショートホイールベース設計なので荷物を積んだ時の前後輪にかかる重量バランスが極端にならないので、かなりの重量物を積んでも安定して走行することができます。

エンジンはアルトやジムニーのものと同じ「R06A」エンジンで、VVT(可変バルブタイミング機構)を備えたスズキの最新式のものです。最大出力は5700回転時に50ps、最大トルクを3500回転時に6.4kg-mを発生するため、低中速域でトルクが得られる実用性が魅力です。

5. MT車に乗ってみませんか?-運転はこんなにも楽しい

いかがでしたか?おそらく、みなさんが思った以上にMT車のラインナップが充実していたと思います。この上記したカテゴリーでも紹介できなかった車種は他にもまだあります。

このような「ベスト~」や「上位~」は通常、ここまで多くの台数を紹介しないと思います。しかし、みなさんにたくさんのMT車があることを知っていただきたかったので、部門別にそれぞれ7台ずつという構成になってしまいました。とても長くなってしまったことをお詫びします。

MTは自動車が発明された当時からあるトランスミッションです。ドライバー自身がシフトチェンジを行わないと動かすことができません。そこが筆者がMTが好きである理由です。「運転をしている」という「感覚と自覚を持つ」ことが、「楽しさ」でもありまた「責任を持つ」ということにつながるのだと考えています。

最初でも触れましたが、マツダとそれに追随してトヨタが「MT」をきっかけにして若者を始めとした「車離れ」の趨勢に待ったをかけようとしているのがうかがえます。「車なんてどれも同じ」と思われる方もいらっしゃいますが、MTに乗ればその思いは変わります。そして、車選びも本気になります。

まずは試乗から始めてみることをおすすめします。MTで免許を取得した方でも現在AT車に乗っている方は少し勘が鈍っているはずです。それでも、ものの数十分で取り戻せると思います。頭では覚えていなくても、体が覚えているものです。

両手両足を使うMT車の運転は、「スポーツドライビング」の一環と言えるのではないでしょうか?みなさんにもぜひMTを操作し運転する楽しみを見出していただければ幸いです。

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